INAZUMA-VOICE|Vol.4:菊野克紀-後編

菊野克紀選手は、もうMMAはやらないのですか?②

菊野克紀
全2回のロングインタビュー後編。菊野ワールドをお楽しみください!!
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MMAは?RIZINは・・・?

―6月8日のKNOCK OUTの試合が発表されました。そして菊野さんの興行も巌流島ルールでやられるという事で、今まで菊野さんの試合を見て来た人達は、恐らく菊野さんが、今後MMAをやるつもりがあるのか?という所を気にしていると思うんですけど、その辺りどう思われていますか?
菊野:んーー。んーー。正直、分からないですね。えっと、もう36歳になって、一通り戦って来て、DREAM出たり、UFCに出たりと、相手に勝つ事、てっぺんを目指すって事も一生懸命やって来て、今度は巌流島で無差別やったりとかトーナメント出たり、リベンジしたりとか、己に克つって事をテーマにやって来て、一通り落ち着いたんですね。

―はい。
菊野:一通り落ち着いて、今戦う意味っていうのが必要なんですね。単純に「戦いたい!」「殴り合いたい!」っていう血の気も落ち着いて来ちゃったんで、練習するにしろ、戦うにしろ、そこに意味が必要なんですよ。
そう考えた時に、やっぱり夢に近づく一試合一試合をしたいし、面白い事をやりたい!楽しい事をやりたい!っていうのがあって、そう考えた時に、今MMAに出る、っていうのがそれに当てはまらないんですね。

―うん、うん。
菊野:テコンドーは面白い訳ですよ。オリンピック、オモロい!巌流島っていうのは、ヒーローの夢に直結する、オモロい!敬天愛人もそうですね。6月8日のKNOCK OUTの試合、キックボクシング挑戦!しかも相手がラジャの元チャンピオン!オモロい訳ですよ!
だから、やれる、やりたい!って事ですね。

―僕はMMAとか巌流島っていう、ルールとかジャンルの切り口で聞いていますけど、もしかしたら菊野さんにとってはあまり関係無くて、単純に菊野さんがオモロいと感じるか?夢に近づいていると感じるか?なんですかね。
菊野克紀
菊野:そういう事ですね。僕、元々強くなりたい人間なんですよ!もっと言えば、カッコよくなりたいんですよ!だから、何でもいいんです!MMAってものは愛していますけど、MMAじゃなきゃダメだって訳でも無いし、巌流島でなければならない訳でもないし、それは単なる手段であって、目的は違うんで。

―そういう思いがある一方で、RIZINが立ち上がって再び地上波で格闘技が流れるようになって、メジャーの舞台で、地上波で菊野さんが戦う姿を待ち望んでいる人が多いと思います。
菊野さんご自身は、そこへの未練みたいなものを感じる事はありませんか?
菊野:やっぱり魅力的に感じていた時期もあるんですけども、今この段階ではその手段は違うのかな、と。いろんな要素や想いが絡み合っているので僕もうまく説明が出来ないんですけど…。さっき言ったように今の僕は何が何でもMMAという選手ではない。MMAとRIZINを背負ってやろう!という選手ではない。そういう選手がRIZINに出ても勝ち続けることは出来ないし、勝つことがMMAやRIZINにとって良いとも思えない。価値があるとしたら若い選手の前に立ち塞がって最終的に負けること。でもそれは僕のモチベーションにはならない。
なんか複雑な想いです。
UFCで思い知らされましたけど心技体が一致しないといいパフォーマンスは発揮できません。こういう心境で臨んでもいい結果にはならないしオモロくもないです。
僕はDREAMでメジャーになるチャンスを逃しました。そしてUFCでも結果を残せず、RIZINというチャンスがあるけれども心技体が充実している今の僕はそこに想いが無い。
「ああ、そうなんだなぁ」と。(笑)
そういうご縁は無かった。
巌流島がメジャーになったらそういう機会もあるかもしれませんけど。
少なくとも僕は桜庭和志さんや魔裟斗さん、キッドさんや須藤元気さん、堀口恭司や那須川天心のような選手ではない。華やかになろうとはしてましたけど、そういうものを持っていないことを受け入れる自分もいます。
そう思ったらなんか肚が座ってきて、他の人に出来ない、菊野克紀だからこそ出来ることをやったろうと。これからはテレビの時代でもないですし、社会が大きく変わっていきそうですしね。そういうご縁なのかなと。
逆にワクワクドキドキしています。

強さに答えは無い!

菊野克紀
―さっきテコンドーの話が出ましたけど、テコンドーは完全にアマチュア競技で、今まで経験して来た競技とまた全然違うと思うんですけど、その中で菊野さんが求めている強さという点で、得る事が出来るものはありますか?
菊野:もの凄い悩むというか、悔しいというか、ジレンマとかありながらも、やっぱり学ぶ事も多くて、ボクシングにしろ、柔道・レスリング・剣道にしろ、ですよ、制限される事によって飛躍的に伸びる技術がある訳ですよ。

―はい、はい。
菊野:テコンドーにもそれが有ります。当てるって事に重きを置くし、間合いのコントロール・スピード・テンポの速さ・相手を誘い出す技術とか駆け引きですね、すごい長けているんですよ。それって言うのは、今までガツガツやって来た僕からしたら、足りないものだったんですよ。

―あー、はい。
菊野:すごくそこが勉強になるというか、面白いですね。

―は~、なるほど。では、単純に限られたから伸びている部分を、自分にも取り入れたい、というか。
菊野:そうですね。強さって微妙なもので、MMAをやればやるほど目突きとかに弱くなる訳ですよ。サミングされたら、「ストップ!ストップ!」って言う訳じゃないですか。
でも、そうじゃない訳ですよ、本当は。

―はい。
菊野:MMAの試合や練習をやればやるほど、そこに鈍感になっていく訳ですよ。急所以外の攻撃に対して効く効かないで判断する。だけど、ポイント制競技は一発当てるって事、一発食らうってことに敏感になっていきます。
だから、本当にどっちが実際に強さに向かっているのか、分からない!ですね。

―なるほど。
菊野:直接当てれば当てるほど弱くなる所もあるんです。当てなければ当てないほど、伸びる部分もあるんです。だから、これは本当に永遠のテーマですね。

―じゃあ、菊野さんも答えを持っている訳では無くて・・・
菊野克紀
菊野:答えは無い!ですね。本当にこれは永遠のテーマです。だからテコンドーに対してやればやるほどリスペクトの気持ちを持ちます。彼らはもの凄いスピードで動くんですね!だから、力を入れていたら間に合わないんですよ。すごく脱力して自由な状態じゃなきゃいけない。

―はい、はい。
菊野:これは単純にそのまま格闘技にも繋がります。テコンドーをやった事で巌流島にしても何にしても、強くなると思います!

―テコンドーをやった事で、今まで知らなった別の強さを感じて、それもまた面白いというか、「あぁ、こういう強さもあるんだ!」というのを、色んな強さを吸収して行ってるっていう、そういう感じですかね。
菊野:そうです、そうです。それがオモロい訳です。
ボクシング、キックボクシング、MMAなど今世の中でプロ格闘技として認知されている競技の技術は素晴らしいです。
それと同様に空手、柔術、合気道、日本拳法、少林寺拳法、テコンドー、中国武術、キャッチ・アズ・キャッチ・キャン、システマ、クラブマガ、シラット、カポエイラなどなど世の中に山ほどある武道・武術・格闘技も素晴らしいんです。
それをある特定のルールに当て込んで測定され偏った認識を持たれている現状は変えたいと思っています。

ラジャの元チャンピオンとやる人生の方がオモロい!

―なるほど~。ではKNOCK OUTに対するモチベーションはどんなものなんですか?
菊野:キックボクシングの練習は、よくしていましたが試合っていうのはしていなくて、それがラジャの元チャンピオン!そんな化け物とやれるって言うのは、最高の経験ですよね!

―マジっすか!?(笑)
菊野:「俺はラジャの元チャンピオンとやったんだぜ!」って一生言える訳じゃないですか(笑)。

―・・・言えます、言えます(笑)。
菊野:ラジャの元チャンピオンとやらない人生と、する人生どっちがオモロいか?って言ったら、する人生の方がオモロい訳ですよ(笑)。

―ハハハハハ(笑)。
菊野:で、僕ももうね、終盤ですよ本当に、格闘技人生の。で、そういうものがあると。そりゃ、やってみたいですよね。

―じゃあ、試合のオファーがあった時は、即答?
菊野:むしろですね、KNOCK OUTの小野寺力さんからは結構前からオファーを頂いていまして。

―はい。
菊野:でも、僕は巌流島に出ていましたので、「ちょっと今はまだ考えられません」っていう感じだったんですけど、5月の巌流島の大会を延期するという事になったので、どの試合に出ようかな?と考えた時に、色々探っていく中で、KNOCK OUTも面白いよなぁと思って。
で、小野寺さんにこちらから「6月くらいに試合出来ませんか?」と聞いたら・・・、でも前々からKNOCK OUTで70キロくらいって言ったらみんなT98選手って答えるんですよ。だから、まぁ、来るだろうなぁと思っていたんですけど、「やっぱり来たな!」って言う(笑)。

―なるほど~!
菊野:はい。

―正直、ルールや相手に対してもそうですが、KNOCK OUTの中で菊野克紀っていう選手がどう扱ってもらえるか?っていう事も含めて、恐さみたいなものを感じませんでしたか?
菊野:そこは考えなかったですね~(笑)。

―おぉーっ!
菊野克紀
菊野:絶対勝てる相手と闘うことはありませんからね。みんな負ける恐怖とリスクを背負って闘う訳です。だからこそKNOCK OUTに出てT98選手と戦える事を、僕が楽しめるかどうかって事が一番重要で、オモロい!と思った訳です。恐い!と思った訳です。「あの肘で掻っ捌かれるのか?」と。「あのローキックで潰されるのか?」と。そこに向かっていく自分の事が好きになれる訳です。だからまぁ、やってみたい!と。

―なるほど!MX TVに菊野さんが出るのが楽しみですね~。
今回も沖縄拳法で、キック対策みたいな事をされると思うんですけど、グローブが全然違う訳じゃないですか?オープンフィンガーグローブと。当然練習もされて来ていると思うんですけど。突きの威力の伝わり方が全然違うんじゃないかな~、と思うんですが、キック用にまた突きの効かせ方が変わって来る訳ですかね?
菊野:そうですね、本当に全く違いますね!こう言っちゃなんですけど、オープンフィンガーグローブで試合させてもらったら、僕絶対負けない自信あります!

―おぉ~っ!(笑)
菊野:はい。ただ、そんな訳にはいかないので(笑)、今回は10オンスのグローブらしいんで、これ、結構厄介なんですよ。

―はい。
菊野:今までの打ち方では、今までのような威力は出せない。ちょっとそれに則った練習をしなきゃいけないし・・・、やっぱりルールによって技術が発達するんですね。だから僕、改めて「なるほど!」と思ったんですよ。ボクシングがあの打ち方になったのは、グローブのせいなんだ!と。

―うん。
菊野:はい。あの打ち方はオープンフィンガーグローブではベストでは無い訳ですよ。素手だと、もっとベストでは無いんですよ。やっぱりボクシングのグローブを着けて打つのなら、ボクシングの打ち方が一番効率がいいな、と感じますね。

―なるほど。でも、ずばり沖縄拳法でボクシング対策を行った打ち方であれば、ボクシングのパンチ以上の威力を出せる・・・
菊野:と、思います!それをちょっと試さないといけないですね。

―見る方としては、そこが一番ロマンを感じる部分ですね。
菊野:どっちにしろ、僕が今からボクシングのパンチの打ち方をするなんて有り得ない訳で、沖縄拳法空手の技術でキックボクシングに臨む訳ですね。

―うん。
菊野:だからこそ、勝ち目があるし。今から僕がキックボクシングの技術をやった所で、それはもう勝てる訳がないので。いかに違う事をやるか!ですね。ルールの中で、如何に沖縄拳法空手を活かすかが、僕の勝ち目になるんで。

―なるほど。これは本当に痺れますね~。
菊野:どっちが先に主導権を取るか?の戦いになると思います!



インタビュアー:平田 真徳 / 撮影:INAZUMA


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「〜試練に向き合う〜」をテーマに「郷州征宜」、「中井祐樹」、「山本ゆき」。3名の格闘家が心を伝えます。

  • 開催日:2018年6月3日(日)
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  • 会場へのルート案内
  • 登壇者:郷州征宜、中井祐樹、山本ゆき
  • 受付:~5/28(月)
  • 定員:60名(定員に達し次第受付終了)

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