勇気の授業が生まれた理由-その1
吉村です。今回から、あらためて勇気の授業が生まれた「理由」についてお話していきます。
そもそも僕は、新潟県のごく一般的な家庭で3兄弟の次男坊として育ちました。
父親は巨人ファンで当たり前に茶の間で野球観戦し、野球が無い時でもテレビのチャンネルを決めるのは父親だった。
そんで父親はボクシングも見るから自然と僕もボクシングを見ていた。
その頃は鬼塚勝也選手や、薬師寺保栄選手、辰吉丈一郎選手などが活躍した時代で、子供ながらに、戦う姿を応援した記憶あります。
そんな環境から、当たり前に強さに憧れ「ビーバップハイスクール」に触発され「ろくでなしBLUES」にハマり、「ストリートファイターII」が発売され、中学の頃には深夜の新日本プロレスを録画してみる様になり、気づけば回りの友達も同じような感じだった。
そんなタイミングでK-1が始まります。何の疑いもなく「日本人が最強」だと思っていた少年の夢はことごとく打ち砕かれ、外国勢の強さ、技の洗練さに魅了され、イカツい、マイクベルナルドなどパワー系ファイターに完全に心を奪われた。
その後は、K-1MAXで魔娑斗選手など日本人が活躍出来るステージに夢をみたり、PRIDEが始まり、総合格闘技を知る。
立ち技には無いパウンドでのKOやサッカーボールキックの様な外国人選手の容赦無い攻撃に見ているだけでも肝を冷やす中、グレイシー一族を次々と倒す桜庭和志選手。日本人離れしたアグレッシブなファイトを見せる五味隆典選手。格闘技の新しい可能性を示した須藤元気選手など数々のスター選手の登場にお祭り的な勢いでドハマりしていった。
そして、全てが終わった。消えた。
K-1が終わり、Dreamが終わり、それまで見てきたガチンコの対決の刺激はもうプロレスには戻れない程に僕を侵食していました。
それから数年格闘技を見ることがありませんでした。というよりも、見るものが無かった。
しかし、義理の従兄弟がたまたまプロボクサーになり、彼を応援する機会が訪れる。
今までは、テレビ越しにしか見たことが無い格闘技を、聖地の後楽園ホールで観戦するようになった。
話が前後するけど、彼がまだプロに昇格する前に、後輩が試合をすると言うことで一緒に後楽園ホールにキックボクシングの試合を観に行ったことがあった。
そこには観客として佐藤ルミナ選手、桜井マッハ速人選手、そして五味隆典選手の姿も。
たまたま売店の前で五味隆典選手にお会いして、声をかけて握手をしてもらいました。
半端なくブレているのは僕がブルってたせいと、従兄弟のカメラ使いが鬼下手だからです笑
五味さんは、快く応対してくれ、さらには僕の従兄弟に自ら声をかけ始めました。
「スゴイ身体してますねー。どこのジムなんですか?」
従兄弟は大学までレスリングをしていて、体格は明らかに格闘家。彼はテンパりながらもプロ志望のアマチュアであることや、所属しているジムの説明などをしていた。
それを聞いた五味さんは「じゃあいつかスパーリングお願いするかもしれないっすね。その時はよろしくお願いします。」と頭を下げて、彼に両手を差し出して握手をした。
おおおおワーワー!!
天下無双の火の玉ボーイが、無名のアマチュア選手に頭を下げる姿は衝撃としか言いようがなく、なんてカッコいいんだ!!と心を鷲掴みにされた。
初めて「強い人は優しい」と実感した瞬間だ。
ようやく本題ですが、そんな彼がプロに合格し、何回目かの試合を、僕は彼の両親と一緒に見ていた。
1R彼は優勢に攻め、確実に効かせていた。観戦していた僕らは今回は「行ける!」と誰もが思った。
しかし2Rから急に守りに入った彼に対し、死に物狂いで勝ちを取りに来る相手が猛攻撃。
いつの時代も追う者は追われる者に勝る。運命は彼には微笑まず、まさかのKO負け。
試合が終わり、彼が僕らに挨拶に来た。何て言葉をかけようか。「惜しかったね」なのか、、、なんて考えていると、いつもならヒザを付き挨拶してくれる彼が、僕らを通り過ぎ母親の肩に手を置いて「ごめんね」。と泣いて謝った。
それを目の前で見た衝撃は、僕の格闘技の概念をブッ壊すだけの力を十分に持っていた。
母親に泣いて詫びるほど今回の試合は覚悟を決めてたんだな。
僕は人生を掛けるほどの努力をしたことがあるんだろうか?
お母さんは、どんな心境なんだろう?
色んな感情がグチャグチャに駆け巡り、頭がショートした状態の中、一つの気づきがあった。
「格闘技の魅力はリングの上だけじゃない!そして、どんな人にもストーリーがある!」
帰って格闘技の情報を調べるとヒットするのは試合予定、試合結果、今後の試合のメインの選手のインタビューだけで、テレビ放送が無い時代には格闘技マニアしか見ていない情報だった。
そこで僕は、試合情報では無く人生を掛けて戦う格闘家の「人」としての魅力を発信することを思いつくんだけど、テレビ放送が無い時代にこの人がスゴイと言っても誰も振り向いてくれるはずは無く、考えだした方法が「格闘技に触れる人を増やすこと」だった。
格闘技ジムに行く人が増えれば、格闘家と触れる人が増え、遠回りでも目的を達成できるはずだ。そして始めたのがINAZUMAだ。
その活動は、結果的に僕自身が多くの格闘家と出会う始まりになり、新たな気づきを与えられ、勇気の授業に結びつく。
続きは、また明日。
勇気の授業02早割りは7日(金)まで
生半可な覚悟では勝ちぬけない格闘技の世界で活躍するトップファイターから、たくましく生きる方法を学ぶ「勇気の授業」を開催します!
・タイトル:こんな授業が欲しかった!勇気の授業02
・開催日:8月5日(土)
・会場:小見川道場 〒227-0055 神奈川県横浜市 青葉区つつじヶ丘1-12 ベル青葉台1F
・定員:70名
・勇気の授業:17時~18時半、受付開始16時半(予定)
・懇親会:19時半~21時半(食事+飲み放題)、参加者には3選手の寄せ書きサイン色紙プレゼント。
・申し込み受付:7月3日〜7月28日
・参加選手:原翔大、菊野克紀、小見川道大
・主催:株式会社パーフェクトサンデー(INAZUMA運営会社)
・映像協力:巌流島事務局